ウクライナ情勢を巡る...核兵器使用の危機が続く今...

スイスの実業家アンリ・デュナンは...1859年6月...イタリア統一戦争の激戦地ソルフェリーノの付近を通りかかった...目にしたのは...数万人の死傷者...彼は町の人々と協力して...救護に当たった...その後...彼は『ソルフェリーノの思い出』と題する本を出版...戦争の悲惨さとともに...戦地の傷病者の人命を平等に救う組織の必要性を訴えた...彼の主張は...赤十字国際委員会の設立につながった...先日...日本赤十字国際人道研究センターの刊行物を読んだ...気付いたのは...紛争を巡る言葉遣いについて...紛争当事者の片方を悪者扱いする表現がなかった...その姿勢について...争いによって双方に苦しんでいる人がおり...何より人命が最優先...と記されていた...命の尊さに国籍も人種もない...誰人の命も尊厳無比だ...だが...国家の思惑が絡む戦争は...人間を敵味方に分けて憎悪の感情を煽り...“命の差別”を生む...いかなる戦争にも正義などなく...正当化できる正論もない...武器の破壊力が増し...将来の戦争は残虐を極めると...デュナンは予見した...ゆえに...戦争を防ぐ努力を根気よく続けることを呼びかけた...ウクライナ情勢を巡る...核兵器使用の危機が続く今...即時停戦の一刻も早い実現を...改めて強く望む...