人通りが少ない路傍にタンポポを見つけた。
誰もが見上げる華やかな桜に負けまいと、
足元で懸命に“春の到来”を告げている一輪の花がいとおしい。
その秘密は地中深く伸ばした「根」にある。
長いものでは、1メートルに達するものもあるという。
花が咲いた後の綿毛は風に乗り、
土さえあれば、その場所に根をおろし、再び花を咲かせていく。
語源はフランス語で、“ライオンの歯”という意味だ。
ギザギザの葉が、それに似ていることから付けられたという。
仏典では百獣の王であるライオンを「師子」と名付けている。
「師子」を思わせるたくましさこそ、タンポポの特徴なのかもしれない。
「踏まれても/踏まれても/なお咲く/タンポポの笑顔かな」――
池田先生が“少年の頃より胸から離れない”として紹介してきた詩である。
華やかな場所でなくとも、誰が見ていなくとも、凜と咲く小さな花。
その姿は、“たくましく生き抜け”と、私たちに呼び掛けているようだ。
タンポポは、5月3日の誕生花。
桜花舞う「4・2」から栄光の「5・3」へ、
「師子王の心」で前進し、わが勝利の花を満開に咲かせたい。(芯)