2015年のワールドカップ(W杯)
で日本の躍進を支えたラグビー界の名将エディー・ジョーンズ氏。
2年後の19年W杯日本大会へ、
現在はイングランド代表の指揮を執る。
前回大会で1次リーグ敗退に終わった「ラグビーの母国」
の立て直しに着手し、
テストマッチで18連勝をマークするなど、その名を一段と高めている。
「義を見て為ざるは、勇なきなり」とは『論語』の有名な一節だ。
何をすればいいか分かっていながら、
しないことは、勇気がないからだとの意。
この言葉を、ジョーンズ氏が日本チームの会議室に掲げたことがある。
当時の日本チームは皆がミスを恐れ、萎縮していたという。
その中で彼は勝つためのマインドセット(心構え)づくりに重点を置いた。
その根本として「勇気」を挙げたのである。
そして一人一人の眠っていた力を引き出し、本番で遺憾なく発揮させた。
彼いわく「勇気とは、慣れ親しんだ自分を捨てること」
と(『ハードワーク』講談社)。
人は、大きな課題を前にすると、
過去の経験に照らして「できない理由」を探しがち。
だが、そうした“これまでの自分”を思い切って捨てる。
そして一歩踏み出した時、“新しい自分”に出会える。
新緑がまぶしい「躍動の5月」。心弾ませ、勇気の挑戦を開始しよう。(差)