作家の半藤一利さんが「デマのスピード」
と題して、こんなエピソードを紹介している。
時は1938年(昭和13年)。
日中戦争が泥沼化し、日常生活も苦しくなる中、
巷には多くのデマが飛び交っていた。
そこで、デマが広まる速さを“実験”
しようと陸軍参謀の一人が民間の友人に吹き込んだ。
“国民の士気に関わるので今は伏せているが、
実は双葉山が昨日死んだ”。
その後、参謀本部は“24時間内に、この噂話が入ったら直ちに報告せよ”
と国内外の全陸軍部隊に周知した。
噂話はたちまち広がった。
にある司令部からの報告だったという(『歴史のくずかご』文春文庫)
(御書33ページ)と。
世にはびこる誤った思想や宗教を「速に」打ち砕き、
「早く」社会の平穏を取り戻す。
これが仏法者のあるべき姿勢であろう。
インターネットの発展により、今は情報が瞬時に世界を巡る。
人々の不安をあおる悪意に満ちた話も後を絶たない。
私たちはウソを追い抜くような速度で、
人を励まし、人をつなぐ言論戦を展開したい。
よりよい社会を築くために必要なのは、
「真実を伝えるスピード」である。(値)