「デマのスピード」と題して...

イメージ 1

作家の半藤一利さんが「デマのスピード」
と題して、こんなエピソードを紹介している。

時は1938年(昭和13年)。

日中戦争が泥沼化し、日常生活も苦しくなる中、
巷には多くのデマが飛び交っていた。

そこで、デマが広まる速さを“実験”
しようと陸軍参謀の一人が民間の友人に吹き込んだ。

“国民の士気に関わるので今は伏せているが、
実は双葉山が昨日死んだ”。

その後、参謀本部は“24時間内に、この噂話が入ったら直ちに報告せよ”
と国内外の全陸軍部隊に周知した。

双葉山といえば当時、69連勝した大横綱

噂話はたちまち広がった。

一番遠くは満州(現・中国東北部
にある司令部からの報告だったという(『歴史のくずかご』文春文庫)

日蓮大聖人は「立正安国論」で「速に対治を回して早く泰平を致し」
(御書33ページ)と。

世にはびこる誤った思想や宗教を「速に」打ち砕き、
「早く」社会の平穏を取り戻す。

これが仏法者のあるべき姿勢であろう。

インターネットの発展により、今は情報が瞬時に世界を巡る。

人々の不安をあおる悪意に満ちた話も後を絶たない。

私たちはウソを追い抜くような速度で、
人を励まし、人をつなぐ言論戦を展開したい。

よりよい社会を築くために必要なのは、
「真実を伝えるスピード」である。(値)