戦争のない時代に生まれたかった...
ということを生き残ったらのちの人々に伝えてほしい。
学生は戦地に散り、帰ることはなかった。
その言葉を聞いた一人に、
ひめゆり学徒隊の生存者・宮良ルリさんがいる。
沖縄戦末期、
避難先の壕で米軍のガス弾攻撃から奇跡的に助かった。
戦後は、学生の言葉を胸に、
ひめゆり平和祈念資料館の証言員として、
凄惨な沖縄戦と命の尊さを、語り伝えてきた。
戦後70年が経過した一昨年3月、同資料館では、
戦争を体験した証言員による講話を、高齢化などの理由で終了した。
一方で、若い世代の「説明員」
を養成し、“ひめゆりの心”を伝え続けている。
沖縄青年部はこれまで、
反戦出版や展示活動を通し、平和の尊さを訴えてきた。
本年は「沖縄戦の絵」の貸し出しパネルを新たに作製。
現在、四つの小中学校に展示されている。
展示を見たある小学生は「絵を見て、悲しくなりました。
戦争はやらない方がいいです。
ずっと平和がいいです」と感想を。
“伝え続けることの大切さ”を改めて感じた。
あすは「沖縄慰霊の日」。
逝いた人々の思いを継ぎ、
平和を守るために、何ができるのか。
自らに問い掛ける日としたい。(結)