取材先の庭木にヒヨドリの巣が見える...
「枝切りをしている時に見つけたんだけど」と...
家主が頭をかいた...
夏の日差しを遮る葉まで除いてしまったらしい...
既に卵は産み付けられた後...
熱暑の中、親鳥はじっと卵を温め続けた...
無事に生まれてほっとしたのもつかの間...
今度は激しい夕立が...
すると親鳥は羽を大きく広げた...
ひなは水にぬれると体温を奪われ、命を落とすことも...
親鳥はひなを守る“屋根”をつくったのである...
先日、晴れて巣立ちの時を迎えたそうだ...
「育む」の語源は「羽くくむ」という...
「くくむ」は「包む」の古語...
親鳥が羽でひなを包む姿に由来する...
万葉集にも
「旅人の 宿りせむ野に 霜降らば 吾が子羽ぐくめ 天の鶴群」とある...
海を渡った息子が寒さで凍えぬよう、母の私に代わり...
その翼で温めておくれと鶴に願った歌だ...
教育本部の友は言う...
子どもの健やかな成長には...
“何があっても自分を受け入れてくれる人がいる”
という絶対的な安心感が必要と...
炎暑に焼かれ、風雨に打たれても、屋根となって子を育む...
それを無償の愛というのだろう...
未来部躍進月間も大詰め...
親だけでなく地域の皆で“励ましの翼”を広げよう...
学会の庭こそ...
宝の鳳雛たちが使命の大空へ羽ばたくための安心の世界である...