これからが本番ね...
モデルを買ってきたわ...
妻は大輪のユリを掲げて...
つぶやきました...
数カ月前のこと...
日課のテニスが体力的に...
キツくなり...
手持ち無沙汰になった...
私を見かねて...
絵でも描いてみたら...
と...生来...絵が好きで...
趣味の域を超えていると...
いえそうな妻に対し...
私は小学生の頃から...
図工が苦手...
何ごとも始めるのに...
遅すぎることはないわ...
と...背中を押して...
くれたものの...
高齢を理由に逃げ口上を...
並べていると...
これからの人生で今日が...
一番若いのよ...と...
追い打ちを...
かけてきました...
日頃から口論では...
かなわないので...
実際に描いてみせ...
才能なし...と...言わせ...
ようと思いました...
公民館主催の...
水彩画講座にも学び...
結局20枚ほど...
描きましたが...手応えを...
感じるまでには至らず...
そんな時...妻が冒頭の...
ユリを買ってきたのです...
赤褐色の陶器の...
花瓶から...2本の茎が伸び...
緑の葉が数枚...手を広げ...
頂には大輪の白い花が...
開いていました...
妻は...ユリの白は...
画用紙に任せ...周りとの...
濃淡で引き立たせること...
と...そこで花瓶...葉...花に...
三分割して描き...
バックの配色を工夫...
妻は...これは...
これで面白い...
と...つぶやきました...
ある朝のこと...陽光を...
浴びたユリを見ていると...
ピカッと光る箇所が...
ありました...
めしべの先端に...
水滴ができ...そこに...
反射していたのです...
私は感動し...花の...
生きていることを...
実感しました...
もう少し...絵を...
続けてみようと思います...