明治の作家、樋口一葉。

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明治の作家、樋口一葉

満足に学校教育を受けられなかった彼女にとって心強い味方が「図書館」だった。

「よむとよむ程に、長き日もはや夕暮に成ぬるべし」
(『一葉語録』岩波現代文庫)。

時を忘れ、読書に没頭した様子がつづられている。

当時、日本に図書館は数えるほどしかなかった。

閲覧室は男女別とはいえ、利用者のほとんどが男性で、
女性にとっては居心地のよい空間とはいえなかったろう。

そうした中で、
一葉は読書に励み、文学者としての素養を培っていった。

文部科学省の調査によれば、
全国の公立図書館の数は過去最高を記録(平成27年度)。

別の調査では、500近い自治体が、
図書館で地域活性化への事業に取り組んでいることが分かった。

内容も、
子ども向けの読み聞かせから高齢者を対象にした健康講座までと実に幅広い。

地域に開かれ、人々の交流の場としての役割も担う現代の図書館。

その需要は、いや増して高まっているといえよう。

池田先生は「『文化の力』は偉大である。

人間の心を潤し、心を広々と開いていく」と述べている。

5月は「図書館振興の月」。

良書や向学の人との出合いは、見識と人間性を深める好機となる。

図書館という“精神遺産の宝庫”“地域の学びの場”を大事にしたい。(値)