日本を代表する浮世絵師・葛飾北斎に関する作品が展示され、
多くの来場者でにぎわう。北斎の代表作といえば“赤富士”の通称で知られる「凱風快晴」。
「凱風」とは南風を指す。晴れた朝、南風が吹く中で赤みを帯びて輝く富士。
その一瞬を捉えた作品とされている。
中国の古典『詩経』に「凱風南自りし、彼の棘心を吹く」とある。
「棘心」は育てにくい茨の木の芯。
「凱風」はそんな茨にも隔てなく吹き、成長への滋養を与える。
自分を育ててくれた母親へ感謝を込めたとされる一節だ。
北斎が描いた、快晴に映える富士も、雲を吹き払う凱風という存在があってこそ。
そう思うといっそう趣が増してくる。
「凱」の文字には「和らぐ」との意味もある。
穏やかな懐の深さに通じるのは、学会婦人部の姿だ。
青年の成長を願い、信心の開花を信じて励ましの風を送る。
その温かさは、頑なになりがちな青年の心をほぐし、成長を促してきた。
池田先生は「慈愛の婦人部に背中を押されてこそ、
無数の青年たちは威風も堂々と羽ばたいていく」と。
今、世界各国で巣立つ若き地涌の人材群。
その一人一人の陰に、創価の母たちの祈りと行動があることを忘れまい。(値)