サッカー界の歴史に残る劇的な一戦だった。
現在、開催中のUEFA(欧州サッカー連盟)チャンピオンズリーグ。
世界一レベルの高い、伝統的な大会でのことである。
決勝トーナメント1回戦。
スペインの名門、FCバルセロナは、窮地に追い込まれていた。
初戦で0対4の大敗。
2戦目では3点を先制するものの、後半17分に1点を返される。
ルール上、勝ち進むには、あと3点が必要という厳しい状況。
だが選手たちは諦めていなかった。
超一流のスターたちが必死の形相でボールを追う。
試合終了間際、立て続けに3点を奪い、大逆転。
スタジアムは歓声に揺れた。
実業家・松下幸之助氏の講演会でのこと。
一人の中小企業の経営者が、
どうすれば松下さんの言う経営ができるのかと質問した。
氏は答える。
“まず大事なのは、やろうと思うこと”。
その時の聴衆の一人で、
後に世界的企業に成長した会社の経営者は、
「“できる、できない”ではなしに、まず、“こうでありたい。
おれは経営をこうしよう”という強い願望を胸にもつことが大切だ」
と感じたという(『エピソードで読む松下幸之助』PHP新書)
勝てるかどうかではなく、まず勝つと決める。
最後まで諦めない。
大逆転のドラマは、わが一念から始まる。(速)