すぐ目の前にいる同僚と、メールで“会話”する若者が増えているそうだ。
以前なら直接、言葉を交わしていた場面でも、
メールやラインでのやりとりが多くなっていないか。
こうした状況に警鐘を鳴らすのは、脳生理学者の有田秀穂氏。
メールだけのコミュニケーションでは、人を信頼し、
人のために何かしたいとの気持ちが減退するという(『「脳の疲れ」がとれる生活術』PHP文庫)。
鍵になるのが「オキシトシン」という神経物質だ。
オキシトシンとは、別名「幸福ホルモン」。
他者への信頼感を強め、ストレスが消えて幸福感が増す作用がある。
さらに血圧の上昇を抑えて、
心臓の機能を向上させ、長寿になるとの研究結果も。
オキシトシンの分泌を促すのは、
スキンシップや一家だんらんなどの親しい語らいだという。
人の幸福を願ったり、親切を心掛けたりすることもいい。
他者に関わる行動自体が、心と体を健やかにする。
日蓮大聖人は、
「人のために火をともせば・我がまへあきらかなるがごとし」
(御書1598ページ)と。
友のために動くと、同時にわが生命も躍動する。
さらに仏法を語れば、歓喜と功徳は計り知れない。
この自他共の幸福の道を、今日も生き生きと歩みたい。(剛)